aaa
令和2年7月14日
特別授業「メディアと上手につきあうために」で伝えたいこと
 
 
今週,河野養護教諭といっしょに各教室を回り,「メディアと上手につきあうために」という授業を行っています。月曜日は,5・6年で実施しました。一週間かけて,すべての子どもたちといっしょにこのことについて考えます。
 
この取組を始めるきっかけは,複数の保護者の方からのご相談でした。「子どもがゲームを長時間していて心配です。」というものです。自宅で過ごす時間が増えて「浮き彫り」になったことと言えるかもしれません。でも,「コロナ禍」とは関係なく子どもたちの将来が心配される「見過ごせない問題」ですから,学校としてできることに精いっぱい取り組む必要があると考え,まずはこの授業から始めようと計画しました。
 
以下,学習内容や子どもたちの反応,そして保護者のみなさまへのお願いを要約して記します。
 
1 「メディアの特性」や「その場面に合ったメディアの選び方」を知ってほしい
 
私たちの身の回りにはたくさんのメディアがあり,それぞれ特性があります。その特性を知って活用しないと,上手なつきあい方はできません
 
授業では,身の回りのメディアを思い浮かべながら,「特性を知る・活かす」ことの大切さを確認しました。

 
2 メディアが生活に与える影響を知ってほしい
 
「ある商品のポスターを見ます。ズバリ,商品は何でしょう?」と投げかけ,左のポスターを提示しました(洗剤の写真部分は隠して)。すると,どこにも「洗剤」と書かれていないのに,ほとんどの子どもたちが「洗剤の宣伝だ」と気づきました。それはなぜでしょうか。

メディアが伝える情報は,私たちの生活に深く影響を与え,生活の中へ組み込まれています。きっとどこかで,このような絵柄のポスターや画面を見たことがあって,それが洗剤の宣伝だったという事実・経験があるのです。それはいわば無意識のうちに認識されたことです。このことに代表されるように,私たちはメディアが伝える情報を,無意識のうちに知ってしまっているということが,かなりあるということです。そのことを確かめました。

た,そんな知らず知らずのうちに影響を受けているメディアを長時間使うことで,「睡眠時間」「体力」「視力」「コミュニケーション能力」「考える力」「学力」を失う可能性があること,一度ハマると止められなくなるような「脳の変化」が生じる可能性があること等も確認しました。

3 安全な行動の仕方を知ってほしい
 
「ゲーム」に焦点を当てました。ゲームには年齢別レーティング制度に基づいたマークが表示されていること,なぜ年齢制限がされているかということ等を伝えました。このことは,多くの子どもが知りませんでした。「年齢制限を超えたゲームをすると,何が問題だと思いますか。」と問い,考えさせました。さらに,世界的に見て日本のこの制度は「かなり甘い」ということ,またPISA2018関連情報から「日本の子どもは勉強でデジタル機器は使わないけれど,遊びでは世界で最もよく使っている」ということも伝えました。子どもたちなりにショックを受けていました。
 
先生たちの心配,願い,保護者の人にも伝えたいこと等を話し,最後に「今日の学習で心に残ったこと」「これからの自分の生活に活かしたいこと」を書かせました。子どもたちは「心配なことを知ったので,メディアとのつきあい方には気を付けたい。」「ゲームを買うときに年齢制限を見ようと思う。」「夢中になっている人に,年齢制限のことを教えてあげたい。」等と書いていました。

4 保護者のみなさまへのお願い
 
4年生以下も今週中にはこの学習をします。メディアと上手につきあうとはどうすることか,子どもたちは授業の中で気づき,今後の取組に見通しを持ちます。本当に子どもたちがより良いメディアとのつきあい方をするためには,保護者のみなさまのご協力が必要です。
 
今,一番問題だと感じているのは,ゲーム利用についてです。特に,年齢制限が表示されているのに,全く気に留めずに15歳以上,17歳以上推奨のゲームをやっていること。これは教育上「ぜひとも改善させたい点」です。保護者のみなさまは,年齢制限マークをご存じでしょうか?日本では,制限を破ることが法律で禁止されているわけではありません。でも,だからと言ってそのことを気に留めないのは望ましくないと,みなさんご理解いただけるはずです。また,それぞれのゲームには「ペアレンタルコントロール」の設定機能があって,子ども向けに制限をかけて使わせることができます。せめて,そのことは実行していただきたいのです。
 
授業で取り扱った「長時間利用の問題点」「年齢制限を超えたゲーム利用の問題点」について,ご家庭でもぜひ話題にしてみてください。すべて将来ある子どもたちの「幸せ」のためです。学校の教職員も含めた大人の力で,子どもたちの健やかな成長を後押ししましょう!

令和2年6月11日
コンピュータで文字を入力すること
 
臨時休業期間に児童1人1台のPC(Chromebook)を,ご家庭の状況に合わせて活用していただきました。とにかくこれまでにない取り組みでしたから,子どもたちも保護者のみなさまも様々な思いを抱かれたことでしょう。前回の記事にも書きましたが,先を見越した「試み」という意図もありました。成果も課題も,今後に生かしていきます。ご協力ありがとうございました。
 
ところで,貸出を受けている「Google for Education 遠隔学習支援プログラム」のご厚意で,児童1人1台のPCは7月末までお借りできることになりました。文部科学省が推進する「GIGAスクール構想の実現」に基づいて,笠岡市教育委員会も今年度中に児童生徒1人1台PCは実現する方向で動いていますが,そのような環境を1学期中限定ではありますが,今井小学校では実現しています。新型コロナウイルス感染症第2波による「臨時休業」が発生した場合に備えての準備,ということにとどまらず,今年度から実施されている新しい学習指導要領においては,この1人1台PCは必須の教育環境でもあるからです。
 
経済協力開発機構(OECD)による国際的な学習到達度に関する調査「生徒の学習到達度調査(PISA)」2018年の調査結果(2019年12月発表)において,日本の子どもの「読解力低下」が大きな話題となりました。そして,そのことを裏付けるような「ICT活用調査」の結果も,同時に明らかになっています。詳細は,例えばここの記事に分かりやすくまとめられているので,関心のある方はぜひお読みください。
 
その調査結果から分かる,日本の学校や子どもたち(今井小も今井小児童も例外ではありません)の状況は,次のようなことです。
  1. OECD加盟国の中で,「デジタル機器をもっとも授業で利用していない」のは日本の学校である
  2. OECD加盟国の中で,「もっともコンピューターを使って宿題をしていない」のは日本の子どもたちである
  3. OECD加盟国の中で,「1人用ゲームで遊ぶ」「ネットでチャットする」ことについて,もっとも利用割合が高いのは日本の子どもたちである
この調査結果には,文部科学省も衝撃を受けたようです。なぜこうなってしまったかという原因を追究・説明することは専門的な立場の方々に委ねるとして,今私たち学校関係者は,目の前にいる子どもたちの将来を心配して,今後この状況を何とか改善しなければならない,という強い思いを抱いています。保護者の皆様から,臨時休業期間に「うちの子どもはPCでゲームばかりしていて…」というお声をいくつか頂戴しましたが,この調査結果から,ある意味「そういうことか」と思っていただける,そんな状況が発生していたということでしょう。ですから,この状況にとどまっていてはいけない!という思いを,ぜひ保護者の皆様とも共有したいのです。
 
とにかく,PCやスマホが「遊び道具」にしかなっていない子どもたちの状況を,「学習の道具として有効活用させる」ところへと向かわせたい。それは国際的に見ても当たり前の姿である,ということをどうかご理解ください。
 
この4月から実施している新小学校学習指導要領 総則 には,次のようなことが書かれています。
 
 各教科等の特質に応じて、次の学習活動を計画的に実施すること。
 
(ア)児童がコンピュータで文字を入力するなどの学習を基盤として必要となる情報手段の基本的な操作を習得するための学習活動
※一部抜粋
 
旧学習指導要領においても,全く触れられていなかったわけではないのですが,ここまで明確に「キーボード入力ができるようになること」が求められたのは,今回の学習指導要領からです。つまり,例えば国語の授業でキーボード入力を行って文章を書くことは,特殊な活動ではなく一般的に行われて良い活動,ということです。誤解のないように申し添えますが,ノートに鉛筆で文章を書くことを否定しているのではなく,それはこれまでと変わらず重要です。学習手段の一つとして選択肢の中に,PC活用が入ってきたということです。私たち大人だって,紙に文字を書くこともPCで入力することも,現状では両立させています。子どもたちも同様であるということです。1人1台のPCで入力すると,学級全体で1人1人の書いたものを共有しやすくなり,それらを活用した話し合いも深めやすくなります。書き加え・書き直しも簡単にできます。そういう意義や価値がある場面で,上手にPCを子どもたちに使わせるのが,私たち学校関係者の腕の見せ所であり,今後の課題であるということです。
 
PCのキーボードで文字を入力することは,主として3年生以上で想定されています。3年生でローマ字学習をすることと深いかかわりがあります(1,2年生がキーボード入力をしてはいけないわけではありません。実際,できるようになることはそんなに難しいことでもありません。)。ただし,小学校には教科の指導内容として「キーボード入力を教えること」は位置づけられていません。でも,ある程度慣れていかないと,上達もしません。文部科学省は平成25年度に小5と中2対象(笠岡市の子どもは抽出されませんでした)の「情報活用能力調査」を実施しましたが,その際の小学生は,1分間で「平均5.9文字」しか入力できなかったという結果が出ています。こんなレベルのスキルでは,PCが「学習の道具」として機能しません
 
教科の指導内容には含まれないけれど,小学生のキーボード入力のスキルアップは必要なことなので,世の中では様々な取り組みがなされています。支援するウェブサイトやシステムもあります。そんな中から,今井小学校の子どもたちには,「キーボー島アドベンチャー」というサイトを使ったトレーニングに挑戦させることにしました。このサイトは,オープンして17年もたつ「老舗」で,過去においても多くの小学生が登録して利用してきました。毎年4月にリセットされるのですが,例えば昨年度は22万人近い小学生が登録していました。
 
雨天の日の休憩時間などには,すでに高学年を中心に子どもたちの利用が始まっています。このサイトは,「ゲーム感覚」でキーボード入力のスキルを30級~初段までレベルアップさせていく設定となっています。きっとそう遠くない将来,「初段・キーボー島名誉島民」へ到達する子どもも現れることでしょう。
 
PCで文字を入力できるようになることが最終目的なのではなく,あくまでPCを学習の道具として有効に活用できるようになり,学力向上に寄与することが目的です。インターネットに接続されたPCであれば,ご家庭からでも使えます。もし,ご家庭で子どもが「キーボー島アドベンチャー」に挑戦しているようであれば,ここに書いたような趣旨を踏まえた取り組みであることをご理解いただき,見守っていただければと思います。もちろん,長ーい時間をかけてやっているようであれば,健康上よろしくありません。ご家庭で決められた「ルール」に則って,適正な活用をさせていただければありがたいです。

令和2年5月18日
メディアとのつきあい方を学ぶ機会に
 
1人1台のPC(Chromebook)を借用し,全ての子どもに配付することを始め,ほとんどのご家庭に届きました。「クラスルーム」という「仮想の教室」を用意していますが,そこへ入ってきて早速活発に書き込みをしている子どもたちもいます。
 
1人1台のPCを配付してできることは,いろいろあります。ただし,日頃から子どもたちの「学習の道具」としてPCを活用できていない学校としての「反省」もあり,いっぺんに「オンライン授業」のような取り組みができるとは思っていません。まずは
  • 「自分の理解や関心に合わせて,ドリル教材を活用できるようにする」
  • 「クラスルームに入って,同じ学級の友達や先生とやり取りができるようにする」
ことからと思っています。その後,お互いの顔を見ながらやりとりするmeetというビデオ付き通話ができるようになれば,授業や朝の会の一部を担う取り組みができるとは考えています。今回の臨時休業期間だけでなく,万一今後新たな臨時休業期間が発生した際には,もっとスムーズに子どもと学校のやり取りができるようになるものと期待し,先を見越した「試み」という側面もあることをご理解ください。
 
ところで,今日こんなメッセージを,子どもから見える「クラスルーム」へ書きました。
 
4年生以上を中心に,クラスルームに入った人のうち何人かの人が,さかんに書きこみをしてくれています。元気にすごしていることがよくわかり,うれしいです。

人によって,書きこむスピードも,書きたいと思う気持ちもちがいます。だから,よく書く人がいい,書かない人はよくない,なんて思ってはいけません。いっしょに教室へいるわけではないので,それぞれの場所で,それぞれの家庭で,ようすもちがいます。どうか,自分が書いたらぜったいに返事が来る,と思わないようにしましょう。学校で顔を見ながら話をしているときは,ぜったいに返事がありますよね。だけど,この「クラスルーム」では,そうならない場合もあることを知っておきましょう。

先生たちも,質問にはできるだけ答えますが,そうじゃないこと一つ一つに返事はしません。そして,すぐに返事がかけないことも多いです。知っておいてください。

もう一つ,このクラスルームへ書きこむ時間も気になっています。
 〇午前8時~午後8時
の間に,というルールを作ることにしました。守りましょう。

同じ情報を見ても,感じ方は人ぞれぞれ違うものです。自分以外の人のたくさんの書き込みを見て,圧倒される場合もあるでしょう。でも,学級のメンバーしか参加しない「クラスルーム」でも,人によってふるまい方は様々なのですから,一般社会で広く利用されているSNSであれば,もっともっと大きな違いが現れます。それが悪い影響を与え怖い思いをするような場合もあります。今回子どもたちが利用している「クラスルーム」には,顔見知りしか入ってきません。だからこそ,一般社会のSNSに子どもたちが出ていく前の「練習」として,こういう比較的安全な場所で経験をさせることの意味は大きいと考えています。経験させることなく理由も説明せず「禁止」することは,教育的とは言えません。学校を取り巻く環境下で守られている子どもたちが,一般社会に出た途端にSNS等による負の影響を受けないためにも,学校教育の中で経験を通してメディアとのつきあい方を教える・考えさせることは,必ず先々で生きて働く力となります。本校の先生方もこういう機会を「生きた教材」ととらえて,指導に生かしていきます。PCを一斉配付した取り組みには,そのような意図も込められています。
 
ところで,保護者の皆様におたずねします。今回の臨時休業期間に限らず,子どもたちとメディアとのつきあい方に関する「家庭のルール」を決めていらっしゃるでしょうか。今回配付したPC(Chromebook)でお子様のG-Suite IDを使ってログインしていただくと,学校教育で活用できる一部のサイトにしか行くことができないように設定しています(あえて,別のアカウントでログインされた場合は,その限りではありませんが)。ですから,子どもがいわゆる有害情報に行き着く可能性は低いと思います(完璧ではありません。抜け穴のようなケースはあるかもしれませんので。)。一方で,「ゲームばかりずっとやっています。」という保護者の方のお声を耳にしました。
 
ゲームが有害だとは思いません。ただし,「やりすぎ」は健康のためによくないですね。違う話ですが,私も痩せようと思って「ある食品だけを大量に食べて他を食べないようなダイエット」をやろうとしたことがありますが,医療関係者から止められました。ある程度バランスよく食べ物は摂取する方が体のためにはよいようです。メディアとのつきあい方も,同じではないでしょうか。つまり,保護者の方とお子さんが相談して,よりよい「ゲームとのつきあい方」のルール(例えば,ゲームをする時間,〇分したら休憩をする,等を必要に応じて)を決め,それを実行すること。子どもはルールを守るとともに自分自身でコントロールできるようになること。…。こういう機会に,ご家庭で話し合いをしていただき,子どもにはよりよいメディアとのつきあい方を身に付けてもらいたいと考えています。
 
コロナ禍が影響を与え続けるであろうこの先を考えた時,今まで以上にICT環境を上手に活用することが求められる世の中になっていくことは明らかです。大人も子どもも,「これまでの当たり前」にとらわれず,成果を上げるためには「できる時に」「できることから」取り組んでいかなければなりません。ご家庭のメディア環境はそれぞれ全く違うものと思われますが,今貸し出しをしているPCを返却していただいた後にはどうするか,ということも見据えて,学校としては様々な対応を考えています。どうぞ引き続き,ご理解・ご協力の程,よろしくお願いいたします。


令和2年5月1日
分散登校の様子と家庭へのお願い
 
昨日・本日は,今年度の臨時休業期間に入って2回目の「分散登校」でした。当初の予定よりも臨時休業期間が大幅に延びた(5月31日まで)こともあって,先生方が子どもたちの学びをどう支援するか,その取り組みがますます重要になってきました。
 
昨年度の(3月2日からの)臨時休業期間は,その学年の終了時期でしたから,家庭学習の内容も「復習が中心」でした。ところが現在の臨時休業は,今年度に入って間もなくのことですから,「復習が中心」というわけにはいきません。もちろん,前学年の復習にも大きな価値はありますが,「今井だより第2号」でも書いたように,新しい学年の学習を進めることがどうしても必要です。特に1年生は,小学校生活を始めたばかりです。すべての新しいことに慣れ,身に付けるところからスタートしなければなりませんからなおさらです。家庭で過ごす時間が大半となり,学校には週1回だけ来る,しかも半日だけ,という中で,どうやって新しい学習内容を子どもたちに習得させるか。このことが,先生方の工夫のしどころとなっています。
 
子どもたちが,新しい学習内容を習得するために一番効果的なのは「教科書を活用すること」です。先生方がこの期間に家庭学習として示しているものの中には「教科書を活用しなければできない課題」が必ずあります。例えば,「教科書の本文を声に出して読む。」「問いの答えとなる部分にアンダーラインを引く。」「本文と関係のある資料とを線で結び,なぜそう書いてあるのかその理由を考える。」等々をしながら家庭学習をすることで,新しい内容も理解しやすくなります。それを経て,例えば分散登校の際に教室で,家庭学習内容を発表させたり友達と意見を交流させたりしながら,新しい学習内容を定着させるための工夫を,先生方が行っています。昨日・本日の教室でも,そのような場面が各学年で見られました。また,どうしても教室で教えなければならないこと,考えさせなければならないこと,と先生が判断した内容は,日頃の授業と同じように(短時間ですが)取り扱っています。
 
保護者の皆様にお願いしたいのは,家庭学習で子どもたちが「教科書を活用して学習している」様子を,可能な時にぜひ見守って欲しいということです。そして,例えばすらすらと音読している場面をとらえて「上手に読めるようになったね!」と,ほめてあげて欲しいのです。ご家庭でのその一言が,子どもの学習意欲を高めることに結びつきます。
 
子どもたちはこれから,長い将来に渡って学び続けなければなりません。学校の一斉授業の場面なんて,生涯を通してみれば,実はごく一部。学習時間の多くは,家庭等で行う「自学の時間」なのです。今この臨時休業の時期に,家庭で時間を決めて日々学習することが定着すれば,将来必ず役に立つ習慣が身につくきっかけになります。その中で「教科書をしっかり活用する学び方を身に付けること」は,子どもにとっての大きな財産「自学力」の素地となります。
 
子どもたちに不自由な思いをさせることの多い時期ではありますが,そんな中だからこそ,逆に子どもたちに身に着けさせたいことも明確に意識して,今井小学校の先生方の取り組みは進めています。
 

令和2年4月23日
今井小学校の「分散登校」
 
4月20日~5月6日までの臨時休業期間,今井小学校では児童一人当たり2回の「分散登校日」を設けています。本日がその第1回目でした。明日も実施します。今日・明日で,全ての児童対象に1回は登校日が設定されています。もちろん,体調がすぐれないので欠席するということは,当然あります。これは普段と同じことです。
 
今井小学校の分散登校日は,
  • 登校班で登校する。
  • そのことによって,各学級が通常よりも少ない人数で過ごすことができる。
ということを想定して実施しています。全校児童が2日間に分かれて登校すると言いながら,登校班ごとに登校すると,学級によっては1日あたりちょうど半分程度の人数にならない場合もあります。教室内の児童数を普段よりも減らして「活動する場所を分散させる」という意図からすれば,半分程度にならないことは望ましくないのですが,
  • 1)保護者の方に送迎していただかないのであれば,登校班で登校する方がより安全であること。
  • 2)今井小学校の児童はそもそも少人数なので,工夫によっていわゆる「3密」を回避することは可能であること。
という点から,この形態での分散登校としました。
 
2)であるならば,なぜ「一斉登校日」にしないのか,という見方もできるでしょう。しかしそこは,「昨年度末の臨時休業期間」に比べて「今回の臨時休業期間」は,児童を取り巻く“危険性”が高まっていると考えられるので,より慎重を期してこのような対応をした,とご理解ください(ただし,今後新たな臨時休業期間に登校日を設ける場合には,対策を十分に行った上で「一斉登校」とする場合もあります)。人と人との接触を少しでも減らすことが,今世界中の人々の行動に対して求められています。何しろ,ほとんどの人が経験したことのない恐怖・不安に(見えないけれど)向き合っているわけです。100パーセントの安全は,どうやっても得られませんが,できる限りの対策を講じることは大切であると考えます。
 
実は今,学校の教職員に対しても「職場内の人の密集・密接を少なくすることを目的に,可能な範囲で在宅勤務等をすること」がすすめられています。笠岡市役所は,出勤している職員を2分の1程度に減らすテレワークの試行を始めました。もちろん,児童への対応が第一ですし,学校の実情や一人一人の先生方の状況も踏まえて考えるべきことなので,今井小学校でテレワークを実施するかどうかは,今のところ決まっていません。しかし,この感染症予防のために,社会からはそこまでのことが求められている現状だということを,重く受け止めなければならないと感じています。
 
一般的な言い方になりますが,私も含めてすべての人が,もしかしたらすでに「新型コロナウイルスの感染者」であるかも知れないということ。そうであることを想定して,人との接触では極力「3密」を避けなければならないということ。例えば,子どもたちが集まって仲良く遊んでいる光景は実にほほえましいのですが,今はそれすらも「ためらわなければならない状況」であることを,この機会に改めて確認させていただきます。


 
令和2年4月21日
臨時休業期間と家庭学習
 
昨年度末に続いて,再び新型コロナウイルス感染症対策による「臨時休業期間」が,笠岡市内小中学校でも始まっています。現在,今井小学校の先生方は,今週末の「分散登校日」に向けて,課題・家庭学習の準備をしています。本来教室で行う授業を全て家庭学習に代えることはできませんが,新学期が始まって2週間しかたっていないこの時期に,子どもたちの学習機会を失くしてしまうことは,あってはなりません。少しでも新学年の学習内容を取り入れた家庭学習ができるように,先生方はいっしょうけんめい工夫しています。
 
これはある意味,教室で授業をするよりも難しい準備です。教室では,子どもたちの反応から「わかった」「できた」がある程度つかめます。それに応じて,課題の提示の仕方を変えたり,子どもへの問いかけを工夫したりするものです。学校の先生方は,本来子どもたちと向き合って,子どもたちの様子を見ながら臨機応変に指導していくのが得意な(そういうことが楽しいと感じる)人たちです。目の前に子どもがいないさびしさもあります。子どもたちの反応が得られない中で「どうやったらすべての子どもたちが『わかった』『できた』と思える学習ができるか」ということを悩みながら,今先生方は準備を進めているということも,お知りおきいただければありがたいです。
 
ところで,野村総合研究所が2020年3月23~24日に,昨年度末全国で臨時休業となった小学1~6年生を持つ保護者6,180人を対象とした「新型コロナウイルス感染症発生に伴う臨時休校に関するアンケート調査」を実施しています(野村総合研究所のウェブサイトはこちらからご覧ください)。その結果,臨時休業中,小学生の27.6%(推計約177万人)が「オンライン学習」を利用し,中でも臨時休業をきっかけに初めて利用した子どもやこれまで利用に関心がなかった家庭での利用が多かったことが分かったようです。また,保護者の約7割が利用した「オンライン学習」に満足しており,緊急時はもとより,長期休暇中や通常授業のある期間での利用意向も高いことも明らかになっています。
 
今回の臨時休業は5月6日(水)までとしていますが,ご承知のように,情勢が変化した場合には延長されることも考えられます。また,新型コロナウイルスに係る専門家の意見には,「終息には1年かかる」,「2年かかる」,「…」などという話題が根拠をもって説明されているものも数多くあります。5月7日から学校生活が再開できても,以後臨時休業が発生しないと言い切れる状況にはありません。もし臨時休業を繰り返すことになった場合,今のままの態勢で乗り切ることには不安があります。野村総合研究所の調査で示されたことを受け止め,こうした学習手段を全ての学校が積極的に取り入れていかなければならないと考えています。もはやICTが得意とか苦手とか言っている時ではなく,小学校でも「オンライン学習」を活用した「指導」を位置づけていく必要がある社会情勢なんだということを,今井小学校の先生方も感じています。
 
それぞれのご家庭のインターネット環境も調査させていただきましたが,もちろん「全ての子どもにオンライン学習ができる環境を提供する」ことは一斉に実施する大前提です。まだ時間はかかりそうですが,その見通しが立った時点で,家庭学習の内容が今よりも充実するような働きかけを各ご家庭向けに行ってまいります。
 
なお,今現在でも「ドリル学習教材」等は活用できるように整備しています。文部科学省のオンライン学習サイトの紹介も含めて,今井小学校ウェブサイトにも掲載していますので,ぜひご利用ください。
 
最後に,臨時休業期間の家庭学習についてもう一言。この期間は,いわゆる「点数を上げること」に重きを置いた学習成果を求めるばかりではなく,子どもが毎日決められた時間に自主的に勉強をする・オンライン教材を活用する,といった学習習慣の定着,そして生活全体のリズムを維持することこそが大切だと考えます。学習・生活の両面で,通常の生活が戻ってきた際にスムーズに移行できるような,そんな臨時休業期間を過ごしてほしいと願っています(参考:日本教育新聞2020年4月20日 10面 東京学芸大学 高橋純准教授コメント)。