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令和3年度第1学期終業式のお話
 
4月7日に始まった第1学期,いよいよ今日までとなりました。長く感じたでしょうか。短く感じたでしょうか。どちらの人もいるでしょうね。でも,3ヶ月あまりの間,いろいろなことがあったでしょうから,今日でホッと一息つく,そんな気持ちはみんな同じではないでしょうか。
 
つい最近,皆さん一人一人にアンケート調査をしました。1~3年生は担任の先生から紙を配っていただいて,4~6年はGoogleクラスルームから入って回答してくれました。その結果は,今日配る「今井だより」に載せています。先生達が大切にしていること4つ「授業の中で,自分の考えを進んで文章に書いている。」「答えを発表するとき,できるだけ『理由・わけ』もいっしょに説明している。」「わたしは,自分のよいところを知っている。」「わたしは,将来の夢(なりたい仕事や目標)をもっている。」の質問に対する答えに,皆さんが1学期の間がんばった様子が見えました。もちろん,全員が「あてはまる」と答えたわけではないけれど,2学期3学期には,全員が「できているよ!」「自分の良いところも知っているし,夢もちゃんと持っているよ!」となるように,先生達も引き続きがんばっていきます。
 
ところで今日は,1学期最後の日,明日から夏休みを迎える日のお話として,埼玉県の小学6年生・柴田亮さんの話をします。知っている人がいると思いますが,この柴田くん,すごいことをやっているんです。カブトムシの研究をしていて,ナント,アメリカの生態学専門誌「エコロジー」という本に,柴田くんの書いた論文が載ったんです。「エコロジー」という本,校長先生は実物は見たことはないけれど,子供向けの本ではないですよ。世界中の生態学の研究者達が,自分の研究成果を発表する本です。大人の研究者も,誰でも載せてもらえるわけではありません。選ばれた論文しか載らないんです。あまりにすごすぎて,ピンとこないですが,柴田くんは大学の先生の力を借りながらではありますが,そんな本へ小学生なのに堂々と,研究成果・論文を取り上げてもらったということです。大きな話題になりました。
 
柴田くんが新たに調べ上げた大発見は何かというと,カブトムシってこれまで「夜行性」つまり夜になってから活動する昆虫だということが「常識」とされていたところ,昼間にも活動するということを証明したことです。ただカブトムシが昼間に動いていることを見つけた,という程度なら,もしかしたら私たちにだって偶然できるかも知れません。でも,そのことを証明するためには,見つけただけじゃあダメなんですね。しっかりしたデータを出して,筋道立てて「だから昼間に行動しているんだ」ということを誰にでも納得してもらえるように説明しなければ,研究としては認められません。2019年夏,柴田くん4年生の時,自分の家の庭にある「シマトネリコ」という木にカブトムシが昼間にも現れることを不思議に思って,毎日木を観察し,集まったカブトムシに印を付けて,どのカブトムシがどう動いたかを分かるようにしました。2020年,5年生の夏には,全部で162匹のカブトムシを1匹1匹観察し,どんな活動をしているのか,時間帯によって違いはあるのかなどを,詳しく調べてまとめたんだそうです。
 
話すとキリがないし,校長先生にもよく分からないレベルの高いことをやっているので,これ以上詳しい話はできませんが,新聞報道によると,柴田くんは6年生になったこの夏も研究を続けるようです。「体重や大きさなどを新しく調べたい。なぜ昼にも活動するのかなど,まだ分からないことが多いので,解き明かしたい。樹液の成分調査や,発信器を使った個体の追跡調査もいつかやってみたい。」と言っているそうです。
 
柴田くんと同じことをしましょう,と言っているわけではありません。でも,自分の調べたいこと,疑問に思ったことを,とことん時間をかけて研究するって,すばらしいことだなと思って紹介しました。柴田くん,将来カブトムシ博士にならなくても,小学生の時にこれだけの研究をした経験は,将来必ず生きて働くでしょうね。違う問題や難しいことに出くわしたときでも,カブトムシのことを苦労して調べた経験は,必ず生きて,新しい問題に立ち向かっていけるだろうと思えるからです。
 
さて,明日から始まる夏休み,36日間ありますが,皆さんはどんな過ごし方をするのでしょうか。何よりも健康で,安全に過ごすことが一番大事ですが,学校に来ない36日間だからこそできることにも,ぜひ何か挑戦して欲しいんです。柴田くんは,幼稚園の時からカブトムシに関心があって,この研究に行き着いたそうです。みなさんも,自分の得意なこと・好きなことを,この夏休みを利用して伸ばしていく,磨いていく,そんなことができたらすばらしいですね。
 
2学期の始業式は,8月25日です。その時,柴田くんのカブトムシ研究と同じように,夏休みの間「これをがんばったよ。これができるようになったよ。」と自慢できることが,お話しできたらいいですね。小さなことでいいんです。自分で胸を張って言えることを持った,元気な皆さんと会えることを8月25日には楽しみにしています。
 
1学期の間,おつかれさまでした!
 
令和3年7月19日
笠岡市立今井小学校
校長 高橋伸明